LUNA SEA / CROSSを聴いて その4

CROSS発売から約1ヶ月。


今後もスティーブや外部プロデューサーを迎えられる状況を見込める中で、5人が集まって作った曲を聴きたい願望を私は拭えずにいる。
これが贅沢であることは重々承知の上で。
CROSSのアルバム自体の出来は素晴らしいが、バンドとしての相乗効果をもっと感じたい。

 

私はLUNA SEAではRYUICHI・真矢原曲のバランス感覚が好きだ。
特にREBOOT以後ではRYUICHI・真矢原曲は5人の音を平等に聴かせたいように感じ、弦楽器3人の原曲はRYUICHIの歌を聴かせたい思いが強いのではと感じている。

 

バンドサウンドとは何か。
メンバー全員揃えばバンドサウンドになるというのも古い価値観であるかもしれない。
データだけで曲をまとめるのは今の音楽業界ではよくある事だが、バンドという売りで顔を合わせない曲作りでは絶対的なパンチが不足すると私は感じている。

 

時間的・人的分業によって曲の意思が薄れるという観点では、バンド単位の分業で薄くなる部分はドラムとベースが顕著。
曲の骨組みが大まかに決まるとリズムを動かせない、もしくは上にどんなフレーズが乗っても対応できるようシンプルになる傾向が強くなる。
CROSSやLUVに物足りなさを感じる方は、いわゆるリズム隊の印象的なフレーズの少なさが気にかかっている方が多いのではないだろうか。

 

CROSSでのJは単音含め多様なフレーズが見られ、REBOOTからは音色の幅も増えている。
真矢は体力面で本当に大丈夫なのか気にはなるが、電子ドラムe/MERGEの導入で表現の幅は広がっている。
メンバーそれぞれ出来る事は増えているので今後も大いに期待している。

 


静寂イントロのSUGIZOの空を舞うように歌いあげるギター、CROSSの中でもかなり好きなポイントだ。