LUNA SEA / LUVを聴いて

LUNA SEA / LUV

オーガニックな作品。
LUNA SEAがやるぶんには新しい、しかし音楽性としては新しくはない(本人たちが望んだ方向性である)。

曲調から年相応のアマチュアバンドの雰囲気があるようにも感じられる。
仮にこの曲たちがネームバリューのないバンドがやっていたらあまりお客は呼べないだろうというのが率直な感想。
このクオリティの楽曲を作れるアマチュアは多い。
音楽性で風穴開けてやる、というような気概は感じられない。
しかし2017年でここまでシンプルに伸びやかに表現するバンドは少なくなったようにも思う。

今作は前作A WILLほどオーディオ環境の良さを求められない音質なので楽に聴ける。

A WILLではRYUICHIの声が楽器と馴染んでいないようなミックスだったが今回はすんなり溶け込んでいる。
前作と比べれば同期させるものが少ないので、ライブで曲が育っていく伸び代はあるだろう。

9曲目の音質がなぜか気になった。

最初に全曲流して、3、4、5、10、12が良かった。


1 Hold INO 構成をそぎ落とし2分台にした方がインパクトが強くなるだろう
2 Brand J Jソロの曲+RYUが広い音域で歌う
3 誓い SUGI 平凡に感じるかもしれないがチャレンジした、各パートのバランスもいい
4 piece RYU SUGI特有の冷たさがある
5 LUV SUGI 新しさはあるもののいまいち抜けきれない何かがある
6 Miss J 歌が入ってきやすい
7 闇 SUGI SUGIの手癖を許容できれば
8 Ride 真矢INO 90年代中盤かな?
9 Years INO ボーカルのメロディが弱く、歌をもっと前面に出したリミックスが聞きたい
10 Limit 流石にシングルだけはある
11 Sad RYU とても聞きやすい
12 BLACK SUGIZO バランスのいい曲

各パートの選んだ楽器やマイクの個性は出ているが、良さを打ち消しあっている部分がある。
しかしドラムとアコギの音は全体を通して良い。
個人の尊重もいいが、衝突のないバンドほど面白味のないものはない(ただしストレスは少ないだろう)。

1曲聴いて惚れ込む、瞬間でわかる良さというものからは遠い位置にある。
全ての音楽が発表された瞬間から好評じゃなければいけないわけではない。
終幕から今まで本当に仕事を休んでインプット出来たことが少なかったのだろうとは思うが。


REBOOT以降の曲だけでツアーをやってみてはどうだろうか。
Promise、ECHO、Lost World大好き。

メンバーが全員生きている、新曲が聴けることにただただ感謝しかない。
終了したら良い悪いを言ったところで響くものがあまりないからだ。


一言だけ書くとすれば、これからも応援します、となる。