LUNA SEA / LUVを聴いて その15

賛否両論あることがいい

 

これを安易に肯定していいものだろうか。
携わった作品は褒めてもらえたほうが嬉しい。
人間という動物はネガティブなものに飲み込まれると病んでしまう。
時には死を選ぶ。
否定的な感想がないと一抹の不安を覚えるタイプもいるが、本能ではやはり褒めてもらいたい。

 

ある程度クリーンな言葉での素直なフィードバック、今の時代に必要なもの。
音楽家の道しるべ、灯りがない。
マーケティングという意味も込めて。
どんな曲にすれば受けるのか判断ができない状況になっている。
SNSはうわべの甘ったるいものか下品なものの二極化が進み、その中間層、いいとこ取りのニュートラルな層が少ない。
裏表が激しい。

 

そこで歌詞の重要性が出てくるわけだが、多少辛辣ではあるが最近のポップカルチャーの言葉は安直なものが多い。
作り手、聞き手共々語彙力の低下もあるが、将来が見えていない表れでもあるし、情熱がほとばしっているといえなくもない。

 

音情報を遮断した状態でLUV全曲の歌詞だけを見てみることを勧める。
日常、ちょっとしたフィクション、過去との戦い、未来への希望、あらゆるものが含まれ反映されている。
LUNA SEAだけでなく作詞の再評価、深化が必要。

 

これもLUNA SEAに限らないことだが、まるで一神教かのように一つの集合体に執心しすぎるきらいがある。
自分が自由だと理解した上でのことならいいが、流されている人はネットの時代であっても存在するらしい。


自分自身を信じてほしい。

LUNA SEA / LUVを聴いて その14

このブログを見ていただいていた数が私の予想を超えて増え続けている。
私のカバー出来る範囲以上の数。
検索サイトから来ている方が多いので、その方々は自分の反応と照らし合わせているのだと思われる。
実に有難い。

 

昨日の午後からはあえて聴くのを止めた。
近すぎて見えないこともあるからだ。
聴かないことでわかってくることもあるだろう、と判断。

 

ここまで私が書いた言葉に影響を受けたのではないかと思われる感想をちらほら見かけるようになった。
同じ意見ではないが他人の感想が気になるようで、今回のアルバムをどう解釈すればいいのか困惑している人が多いようだ。

 

しかしこれはあくまでも私個人の感想。
等身大の言葉でゆっくりと咀嚼したほうがいい。
以前にも書いたように、どこかに感想を書き留めておくことを推奨する。
ネットでなくてもいい。
しかしネット上に公開すれば反応がわかる。

 

SLAVEは奴隷という意味だが、LUNA SEAにおけるSLAVEは実際の奴隷ではなく自由な存在だ。
逃げてもいい、泣いてもいい。
しかし可愛さ余って憎さ百倍にならないよう、冷静に。

LUNA SEA/ LUVを聴いて その13

カッティングしたらファンキーという見出し。

 

これはさすがにSUGIZOに同情する。
言葉で縛りたがるメディア、無理に形容しなくていい。
SUGIZOがファンクを好きなのはファンには知られているからこそ、新規開拓という意味でこの括りをされると偏った見方をされてしまう。

 

今回のSUGIZO原曲は格好良さがある。
しかし全ての構成においてナルシズムを貫き通せているかというと疑問符が浮かぶ
ライブを想定したBLACKでの合唱など。
この曲はLimit含め各パートのバランスが良く力が入っていると私は感じたが、フェードアウト前の余韻の持たせ方に少し違和感がある。
その大きな理由はトリの曲だからだ。
ライブでの曲順次第ではどうにかなるとは思っている。

 

ベースでルートだけ弾くのにも技術がいる。
残念なことに今回の音色では体感しづらい。
その上、Jの魂が抜けているように聴こえる部分がある。
フィジカル・メンタルの健康面は大丈夫か、密かに心配しているファンは私だけじゃないかもしれない。

 

INORANのコーラスをかけたクリーントーンの音は前作と比べれば良くなっている。
今回のINORAN原曲ではメロディラインが弱い。
間が持たないからストロークで埋めているような箇所があり、他パートの音を抜いてもいいと私は思った。
休符は緊張感を演出できる。
これはINORANソロワークでも同じことが言える。


Time Has Comeのアレンジで手に入れたRYUICHIの独唱、この手法は今後のライブアレンジで使うためにとっておくのだろうか。
RYUICHIはメンバーに気を回しすぎたか。

LUNA SEA / LUVを聴いて その12

賛否が分かれており、ネガティブな感想が怖かったが聴いてみたらそれほどでもなかった

 

これもきつい一言。
それほど、が及第点に達しているのかわからない。

 

次のアルバムに期待

 

つまり今回のアルバムは咀嚼しきれなかったという反応だろうか。
これも考えさせられる。

 

あいつのアレがアレだからこの反応もやむなし、とシニカルに捉えている関係者もいるかもしれない。
バンドとしての踏ん張り、土俵際。
これを一番理解しているのが、過去のLUNA SEAでは原曲をあまり持ってこなかったRYUICHIと真矢なのだから。
客観的意見を飲み込む力に差が出てしまった。

 

歳を重ねればプライドも強くなり頑固になる人は少なからず存在する。
しかしここまで作品自体に反映されてしまうと今後の方向性を見失う。
次のライブで一筋の光が見えればいいのだが、製作期間とリリース後の反応で負った傷は癒えるだろうか。

LUNA SEA / LUVを聴いて その11

ツイッターやレビューサイトの反応で一見肯定しているように見えるものでも、関係者が見れば内心複雑に感じるものが非常に多い。

 

一聴しただけではわからなかったが
新しい
裏切られた

 

とりあえず3つ挙げてみたが、これらの共通点は1回では捕まえられなかったということだ。
原作者の過去作からの色が強く反映されているので、これならソロ重視したほうがいいという判断になりかねない。
新しいことにチャレンジしたアルバムではないので、真っ当に評価されていないんだなと思えてしまう。
LUNA SEAの新アルバムは毎回裏切られるというものも、今回に関していえばソロワークも評価されていないという見方もできてしまう。

 

終幕以前、そしてA WILLまでの曲をアマチュアのカバーバンドが披露しても集客できるという点に着目。
楽曲が素晴らしいことの表れで、これは偉業とも言える。
世界中のバンドでもこの域にまで到達したものは貴重。
しかし同時にこれらは現在のLUNA SEAのライブセットリストでは物足りていないことの反動でもある。

 

リリース日から2日目だが、私が見た範囲では弾いてみた動画が見当たらない。
難解な作品群ではないのにこの反応は2017年の今では心に杭を打たれたような痛みがある。
最前線ではないのだと。

LUNA SEA / LUVを聴いて その10

Jのフィルの少なさ。
3フレット分ぐらいのわずかなスライド程度でもいいのにほとんどやっていない。
真矢が上手だから成り立っているものの、ドラマーの視点からすればはっきり言ってたまったもんじゃないだろう。
ライブで困る可能性が無いとは言えないからだ。
不安要素である。
70歳になっても楽々と演奏できるような配慮した結果がこれ、というわけでは無さそうなのが。

 

今回アルバム2〜3周目あたりで、ここをこうしたほうがいい、ここはこうしないほうがいいと瞬発的に思いついたことがすごくショックだった。
THE ONEでもA WILLでも多少はあったし、終幕以前の曲でもそう思える曲はあったが、今回脊髄反射で浮かんできた自分に悲しみを覚えた。
その案が昔のLUNA SEAの再現ではなく、今なら、そして将来を考えれば、という方向だったので。
私はメンバーではないので意見が違って当然ではあるが、将来につなげるため、そして今売れる曲かという視点。

 

前情報でインストが入るということで期待が膨らんだ。
しかし聴いてみると、Rideは楽しみながら作ったのか分からない。
理解を超えていればいいのだが、中途半端に古く聴こえる。
この曲はお金になるだろうか。
人を呼べるだろうか。

 

賛否が分かれていて、LUNA SEAについて多くの人が語っているのは活況と見ているつもりではある。
どちらの意見でもネットに上がれば広告効果があるからだ。

 

インタビューには全く書いていなかったのであくまで推測だが、LUVはあえてソロ用を持ち寄ってみようというコンセプトなのかもしれない。
しかしそれはバンドにとっては禁断の果実。
極論だと、身近にパート担当してくれる人がいれば便利でいい、ということになる。

 

利害関係の一致の結果かもしれない。
確実に収入は見込めるのだから。

LUNA SEA / LUVを聴いて その9

リードトラックの候補にHoldとともに誓い文があったとSUGIZOが返答したことで様々な反応が起きている。

 

曲自体はそれほど悪くないというのが私の感想。
メロディもこのアルバムの中では耳に残るほうだ。
しかしこれをLUNA SEA名義でやる意義、これについて考えたい。

 

確かに今までのLUNA SEAにはなかったアプローチ。
ただ、曲のコード進行などは手垢がつきすぎたもので骨董品の域。
他のミュージシャンがやってきている似たような曲と比べられてしまったらと考えると怖気が走る。

 

この世にどれだけ良質な楽曲があるか。
誓い文がLUNA SEAの名義で過大評価されること、ファンが他を知らずに胸を張ってしまうことを危惧する。
過去の遺産に失礼だと私は思うし、LUNA SEAの将来に傷がつくのではなかろうか。

 


今回のアルバムで現時点で私はpieceとSo Sadを評価する。
この2曲は今後も長生きしてくれると思えるからだ。